
お空からの贈り物②
やっと会えたね。
眠りから覚めたママは、お腹を切ったあとの痛みに耐えながら、とにかく赤ちゃんの姿を見たい思いでいっぱいです。
赤ちゃんが眠っている部屋まで、伝い伝い歩いて逢いに行きました。
赤ちゃんは保育器の中でスヤスヤ眠っていました。
「はじめまして、わたしがママよ よろしくね」と言いたかったのに…ママは無意識に
「ごめんね ごめんね 苦しかったね 痛かったねごめんね」と何度も何度も言っていました。
お薬を飲んでいるため、母乳をあげることができないママは、悲しくて悔しくて、情けなくて、毎日毎日泣いて過ごしました。
あーちゃんが誕生してから4日目の事でした。
「多血症 黄疸 心室心房中隔欠損 さらに肺高血圧のため「短命」だと先生からのお話がありました。
「明日かもしれないし、3歳まで生きられるかもしれない、この子の生命力次第です」と命の告知をされました。
お母さんは涙が止まりません。
この日の夜は100数年ぶりの「しし座流星群」ものすごい流星雨となった日です。
ママは「この子を助けて!!」と、この流れ星に向かって一晩中泣きながら祈っていました。
ママはこの時、お空(天)が一緒に泣いてくれたように思いました。
この夜のしし座流星群が明日香を守ってくれたのだ!本当に助けてくれてありがとう!ありがとう!
生まれてすぐに命の告知をされた我が子。
パパとママは明るい子になって欲しいと「日」という文字が3個入る「明日香」という名前に決めました。
パパは将棋の有段者です。
駒の中でも「香車」が一番好きです。
パパは「香」という文字をいれたかったのです!!
「明日香」という名前の由来には、このパパの思いも付け加えておきましょう。
命名「明日香」
明るい子に育って欲しい!
命の告知を受けたママは全国であーちゃんを助けてくれる先生を探しました。
見つかりました。北九州の先生です。
そして治してくれる先生は地元広島に居ました。
先生は言いました。
「お母さん、一つは動脈管開存症です。これは、手術したら命は助かりますよ」
ママは「よかった~助かる!!」と喜びました。
もう一つ先生が言いました。
「この子は、ダウン症候群といって、染色体が通常より1本多くある状態で生まれてきた子ですよ」と…。
ママは高齢出産でもあり、何となく予感はありました。
しかし命が助かるとわかっただけで、大満足です。
手術も終わり肺高血圧は下がりました。
しかし3か月たっても、かすれた泣き声でした。
心臓の手術はリスクが高いので様子をみることになりました。
様子を見た結果、6歳頃には心臓の穴はふさがりました。よかった♡
あの夜の「しし座流星群」を忘れたことはありません。
あの夜の「しし座流星群」がしっかり、あーちゃんを守ってくれたのだと感謝しています。
助けてくれてありがとう。しし座流星群・・・。
あーちゃんの命は手術すれば助かる!!
ダウン症も不安はあるけど 命さえ助かれば何とかなる!とママは自分を励ましました。
そうだ しし座流星群が助けてくれたのだ。
宇宙全体が守ってくれた命だとママは、そんな気がしました。
「ありがとう、しし座流星群!!」
平成14年1月に動脈管開存(心臓)の手術を受けました。
手術前の絶食でお腹が空いて空いて大泣き
一晩中泣き続けました。
あぁガリガリさん。ママは切なくて切なくて…。
でも大丈夫だよ。とまた、あーちゃんと自分を励ましました。
そして・・
あーちゃん 手術大成功!!
あーちゃんもママも頑張りました。
先生も頑張ってくれました。
小さな小さな身体のあーちゃん。
ガリガリさんのあーちゃんの命は繋がりました。
ママの祈りが届きました。
「ありがとう、しし座流星群!!」
手術を終えたあーちゃん
元気いっぱい、天真爛漫、やんちゃな女の子に育っていきますよ~
どんな大人になるのかなぁ^^
あーちゃんとママの珍道中
~はじまり はじまり~
つづく・・・