
小学校教諭のリワーク物語②
2話
さて、年の瀬も近い12月14日からリワークが始まりました。
みどりさん(仮名)の心の中を整理しましょう。
- 教育現場での仕事、経験を重ねることで、何のためにやっているのかわからなくなった。
- 教師として、自分を犠牲にしているし家族も犠牲にしている。
- 教育的瞬間、プロになるためには「今だ!!」という瞬間を見極めることが必須。子どもを観察し、背景を知ること、その子が嫌がること、喜ぶことを知ること。
- 疑うことは可能性にかけることである。子どもを斜めから見ることや時には試すこともする。ここから本音を引き出す。
- 自分は、大学で教免は取っていなかったので、佛教大学で教免を取った。実際は教育学部の出身者の方が離職率が高い。
自分の自負もあるし、足らないところもある。しかし、この自分の信念に逆らうことが苦しい、しかし、組織の中では「やりすぎ」「入りすぎ」と行動を抑制されることも多くある。
みどりさんはそれでも復職したい、教員として仕事をしたいと思いました。
そして、組織の中で割り切りつつ、信念を持って働き続けたい。そのための心構えが必要と考えに至ったわけです。
教育委員会という組織の中で、割り切って組織に属しながら「守るべき人を守るために」どう働いたらよいかを考えていくことにしました。
先生だって間違える事がある。だって人間だもの。
自分で生み出している苦しみの原点は何か?罪悪感(責任感)を手放せないことが苦しい。
執着は自分のプライドから生まれている。
6年生を担任していたみどりさんは、どうしても自分の手で卒業させたい思いと、今まで積み重ねてきたキャリアに傷をつけたくないと思っています。
この執着を手放すには「自分軸」。もともとある「自分軸」を取り戻し、心機一転できたら・・・いいのか・・・しかし、それを言い切ることは出来ませんでした。
みどりさんは自分や家族を犠牲にしてでも、生徒たちのことを考える、真面目な熱血教師なのかも知れません。しかし、このままでは復職が叶っても、また苦しみ、悲しみ、身体に不調が現れてまた休職・・・となり得ます。
根本的な解決をしていく必要があります。
心の中にあるものごとを言語化しました。
では、ゴールを決めましょう。
復職する、復職できるときの心の中の気持ちを言葉にしましょう。
「元気になる。心身ともに元気になる」
では元気になって、どんな生活を送るか?
「我が子に対して、向き合うことができる生活」
「復職してからは遅くまで働かない生活」
「明日、命が無いかも知れない」「犠牲という言葉を手放したい」
株式会社蓮の代表はリワークのお手伝いをするが、復職する心になるためには「自分自身」の行動変容であり、私が復職をさせるのではない。あくまでもお手伝いです。自分が変わらなければ、復職は叶いません。そのことをみどりさんはすぐに理解しました。
リワーク物語つづく・・・