
昭和44年生まれ直美の物語⑯
16・仲間が集まる
直美の使命は「平和な日本、平和な社会を子どもたちに残すこと」だ。
どうやって、その使命を全うしよう。
とりあえず「世界平和」を目指してます。と発信していこう。と具体策もなく行動していた。
障害福祉の仕事から離れる決意をし、会社を退職した。たくさんの執着に気付いた。この執着が私の苦しみを生むのかと直美は思った。
三年ほど前に、元刑事で少年犯罪を検挙していた方の講話を聴く機会があった。
トイレ掃除とハガキを出すことで非行少年とその家族を救った経緯だった。心を温めていくことが大切だなぁ。私が目指す考えに合致すると直美は感想を持った。
それから三年。再びその方とお会いすることが出来た。以前お会いした時とは比べられないくらい深いところまでお話をする機会が何度もあった。
令和三年五月の終わりにこれは面白い話ができそうだなと、縄文時代について学んでいる友人が直美のところへ遊びに来る席に彼を招いた。
特にテーマを設けずにそれぞれが思い思いのことを話した。共通の思いが言葉として重なり合っていく。三人はさほどお互いのことを知り得た間柄ではない。しかし話が尽きることはなかった。
三人の共通点を言葉として表するとしたら、いくつか思い浮かぶ。
「生きている使命を全うすること」
「子々孫々に美しい日本を伝え残したい」
「気付いたのなら行動したい」
「一人では生きていない」
「古き善き日本を取り戻したい」などをあげておく。
三人の会合は三時間余り続き終了した。
三年ほど前に元刑事だった彼の話を聴いたこと、その内容を再び聴くこととなった。
平成二十四年に話した内容である。直美にとって平成二十四年は一つ転機の年だった。障害福祉法の改正が大きくされた年だ。
その時に、元刑事の彼、隆が考えていたことに大きな興味を抱いた。
昭和44年生まれ直美の物語
完
株式会社蓮から出版されている「生き織り」の第1章です。
第2章 隆の物語~第3章 紘一の物語へと続きます。ご覧いただきたい方はお問い合わせホームよりお問い合わせ願います。
最後まで「昭和44年生まれ直美の物語」をお読みくださりありがとうございました。